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勇輝くんと優くんが一緒に暮らしている部屋もそんな造りだと、雄哉が言っていた。
雄哉の部屋、と呼ぶけど、雄哉の部屋に小さな家がある感じ。
雄哉の部屋を出たらこの家には数え切れないほどの部屋があるし、お風呂とトイレがあと5つあるほどこの家は広い。
なのになぜこんな造りの部屋なのか、と一度雄哉に聞いたら、いくら兄弟でもプライベートは欲しいからと自分の部屋に小さな家を作ったらしい。
プライベートを重視するなら、なぜトイレとお風呂以外の扉や壁はないのか…。
平凡な俺には雄哉の考えはよくわからない。
13歳まで記憶がない俺を引き取ってくれた雄哉に、
俺が口出しすることではないことだけど…。
「翔、プリン持ってきたぞ」
雄哉が俺の隣の椅子に座ってパンパンと自分の左足を叩く。
それは俺に雄哉の太ももに乗れという合図。
二人きりでいる時は雄哉から食べさせてもらう。
俺がいくら一人で食べたくても、プリンは雄哉の手の中にあるから。
雄哉の左太ももに乗るまで、ご飯は絶対に食べさせてもらえない。
この家にきて、まず学んだこと。
俺はプリンを人質に取られているので、素直に席を立ち雄哉の左太ももに乗る。
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