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そして俺、橘翔は11歳の時に交通事故に遭った。
俺達一家が乗った車に、運転手が病気で意識を失った車が激突して、俺以外の家族は亡くなった。
俺だけが奇跡的に生き残った。
俺が記憶があるのはその事故から2年後。
俺は4年間入院していたけど、事故直後から入院していた2年間の記憶はなく、そして生まれた時からの記憶も失った。
俺が事故で入院している時から、雄哉にご飯を食べさせてもらっていた。
もっと言えば雄哉に着替えを手伝ってもらい、トイレの補助までしてもらっていた。
入院中、俺の日常生活のすべてを雄哉が世話をしてくれていた。
俺はあの時も今も、雄哉なしには生活が出来ない…。
だから今さら雄哉に着替えを見られたところで、何も恥ずかしくない。
ただ時々、雄哉はプライベートがなくていいのかな…、と思う。
「翔の舌も真っ赤っかで可愛い…」
雄哉が吐息混じりで俺の耳元で呟くから、雄哉の吐息がくすぐったくて、身を捩る。
「んふふ、翔、可愛い…」
雄哉が耳元で笑うから、また俺は身を捩ることになる。
俺がはっきりと覚えている古い記憶は、俺が病院のベッドの上でロールケーキを食べていた。
そのロールケーキはとても美味しかった。
そのロールケーキをがむしゃらに食べている時に隣にいたのは…、
雄哉だった。
記憶はないけど、きっと雄哉は事故直後から俺の世話をしてくれていたんだと思う。
だから雄哉には感謝してもしきれない。
「翔のすべてが可愛すぎるっっ…!!」
段々雄哉の鼻息が荒くなる。
雄哉が俺の耳元でスーハースーハーと言い出す。
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