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「スナック菓子とインスタント食品はダメだって言っているだろう?」
「う…」
コンビニで俺が手に持っているのは、スナック菓子とカップ麺。
俺は雄哉を見上げるけど、雄哉は首を振って俺が手に持っている商品を奪って棚に返す。
雄哉はおにぎりやサンドウィッチやデザートやクッキーなどのお菓子は買ってくれるけど、スナック菓子とインスタント食品は絶対に買ってくれない。
その変わりに雄哉お手製のポテトチップスやラーメンを作ってくれる。
それも美味しいけど、コンビニで売っているスナック菓子やカップ麺も食べてみたい。
「明日は病院に行くから作れないけど、また作ってやるから」
雄哉は俺の頭を撫でる。
「うん…」
俺は仕方なく頷く。
だってお金を出してくれているのは、雄哉だからだ。
雄哉のお手製が一番美味しいんだろうな、
と思うけど、でもやっぱり規制品も食べてみたい。
雄哉が持ってくれているカゴ半分ぐらいが、俺のおにぎりやサンドウィッチやデザートなどで埋まっていて、そのカゴを持って雄哉が並んでレジを済ます。
二人でコンビニを出ると、そこで立ち止まる。
俺が持つ!といくら言っても持たせてくれないレジ袋。
俺は雄哉が持ってくれているレジ袋から、雄哉が好きなコーヒーを探して雄哉に渡す。
それからまた歩き出す。
「優しいな、翔は!ありがとう!」
これも入院している時からやっていること。
コンビニで買ったコーヒーを俺から雄哉に渡す。
それだけで雄哉は嬉しそうに笑う。
雄哉、優しいのは俺じゃない…。
優しいのは雄哉だ。
だから雄哉には幸せになってほしい。
それを今、俺が邪魔している。
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