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売店のお姉様いわく、雄哉は雑誌から出てきたような王子様。
双子の勇輝くんもそうだけど、男の俺から見ても手足が長くてスタイルがいい。
顔も細長で肌も綺麗で、目も切れ長で鼻筋も通っていて薄い唇。
黙っていれば冷たく見えるけど人なっこい性格だし笑うと少し幼く見えるので、特に女性から大人気。
雄哉は俺のことを可愛いとか天使とか言うけど、いくら食べても少しは伸びたけど、以前背は低いまま。
細顔で目は少し大きくて鼻もそんなに高くないし、唇は少し厚め。
それに身体中に手術の跡と自分でつけたひっかき傷がある。
なぜそんな俺に雄哉は、可愛いとか天使とかお嫁さんになって、なんて言うのかわからない。
今度はドリングコーナーに行って、お茶とお水を二本ずつ。
そしてコーヒーをかごに入れる。
かごに入れたコーヒーは雄哉が好きなコーヒー。
そのコーヒーを見ながら小さくため息をつく。
…今頃、雄哉はナンパでもされているのかな。
そう想像しただけ胸がチクンとなるけど、俺は気づかない振りをする。
あまり出歩かないけど、雄哉は女性によく声を掛けられる。
いわゆるナンパってやつ。
雄哉は女性に声を掛けられても完全無視して、俺だけを見て喋ってくる。
病院内でナンパってどうなんだ、って感じだけど、
雄哉のあの容姿だったら病院とか関係なく声を掛けられてもおかしくない。
俺はもう一回ため息をついてから、レジに向かう。
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