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「すべての検査で問題はありません」
「良かったな、翔!」
雄哉が抱き締めてこようとするけど、俺は座っている椅子を持って雄哉を避ける。
「翔…」
悲しそうに呟くけど無視だ。
「いつも言っていますが、脳に異常がないので記憶が取り戻せないのは心因性のものなので、こればかりは心療内科の鈴木先生にお任せします」
沢井先生も慣れたもので話を進める。
「あ、翔!今日、鈴木先生と話してて、これからはビシバシいくって」
心療内科でビシバシってどういう意味…?
「翔、鈴木先生に泣かされたら、俺が慰めてやるから安心していいからな!」
雄哉がもう一回抱き締めてこようとするので、俺は思い切り身体を背ける。
「翔…」
「もう一度、三ケ月後に検査して異常がなかったら、検査は半年おきにしたいと思います」
「今度の検査で何もなかったら、検査は半年に一回だってっ!良かったな、翔!!」
雄哉は沢井先生の言葉をオウム返しして俺に言う。
「…うん」
「可愛い…」
ただ頷いただけで何が可愛いのか。
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