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「嫌だ…!」
「翔…」
雄哉が弱々しく声を出す。
それ以降、先が尖ったものは俺の前には出てこない。
雄哉が徹底的に見せないようにしているため。
だから勝手に俺一人で行動するのがとても嫌みたいだ。
だけどメロンパンはどうしても食べたかったし、フォークが出てきそうなメニューは避けた。
なんとなくフォークで出てきそうな食べ物はわかる。
雄哉が教えてくれたから。
本当はケーキはフォークで食べるんだぞ、とか、
パスタもフォークで食べるけど箸で食べて、とか
サラダもフォークで出てくるところもあるから気を付けて、とかとか。
ああ、本当はメロンパン屋さんで海鮮サラダ食べたかったけど、
フォークが出てきて意識を失って病院に運ばれるのが嫌だからすごく我慢した。
「あ、そっか…!ごめんごめん、翔は俺のキスで睡眠薬を飲ませてほしかったんだよな…。気づかなくてごめんね!」
「いらない」
雄哉の顔が近づいてくる前に急いで睡眠薬を飲む。
「そんなに俺とキスするのが嫌?傷ついた…!すごく傷ついた…!翔、この傷ついた心を…、」
雄哉が何か言っているけど段々と遠く聞こえてくる。
そのまま、俺はすとんと眠りに落ちた。
本当は最近様子がおかしい俺を睡眠薬を飲ませて、
安眠させてくれようとしているのもわかっていた。
だけど、それもなんだか口に出せなくて…。
迷惑かけてごめんなさい、雄哉…。
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