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「なんで…!?」
さすがそれは俺も止める。
「うん?俺が翔のパンツも作ってあげようかと思って…」
「いらない!」
両手で雄哉の手をはねのけると、雄哉はそこまで本気じゃなかったらしく、すぐに手を退けてくれる。
雄哉は何もなかったように続ける。
「俺、ミシン買おうかな?翔が着る洋服、すべて俺の手作り。ああ、いいな…!」
雄哉の頭の中では妄想が広がっているみたいで、
時々、ウフフ、と声を出して笑っている。
どんな妄想かは絶対に聞きたくない。
「…翔の洋服も下着も靴下も俺のお手製…。さすがに靴は無理かな…。あ、っていうか俺、翔のパンツになりたい!翔の大事なところを守ってあげるの!…俺以外の前で脱ごうとしたら絶対にパンツが脱げないの。…ってあれ、俺がパンツだから俺の前で脱ぐってことがない…、」
「もうやめろっ…!この変態で頭がお花畑っっ!!」
雄哉が固まったまま瞬きもせずに俺を見ている。
「…雄哉…?」
怪訝そうに名前を呼ぶと、雄哉が力一杯抱き締めてくる。
「雄哉…?」
雄哉は俺の肩に顔をうずめる。
「…もしかして何か思い出した?」
「…何を?」
「いや、だったらいいんだ…」
少し元気のない声。
きっと俺が何かを思い出した、と期待したんだ。
雄哉は顔を上げて、
「翔、お昼はカレーな!」
その顔はさっきまで何もなかったような笑み。
「…うん」
俺も何もなかったように頷く。
どこかこのやりとりに違和感を覚えながら、
思い出せなくて、雄哉をがっかりさせてごめんなさい…。
と心の中で謝った。
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