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「…んっ…」
息苦しさを感じて目覚めると、雄哉の部屋のベッドの上だった。
その息苦しさの原因はすぐにわかった。
雄哉がいつもより強く俺を抱きしめて寝ているから。
俺は身を捩るけど雄哉の腕はビクともしない。
何度か身を捩って試してみるけど無駄ですぐに諦めた。
なのでそっと雄哉を見る。
雄哉は俺より早起きだから、雄哉の寝顔を見られるなんて珍しい。
もしかしたら寝顔を見るのは初めてかもしれない。
寝ていても雄哉の整った顔立ちは変わらない。
見惚れるぐらいだ。
あ、案外まつ毛が長い…。
肌も綺麗でキメが細かい。
その肌に触りたい衝動に駆られる。
俺は身体を捻りながら、自分の顔を雄哉の顔に近づける。
雄哉を起こさないようにそっと雄哉の頬を撫でる。
頬を撫でた指が雄哉の唇にいく。
その唇を見ていたら衝動に駆られて、そっと自分の唇を押し当てていた。
なんだか恥ずかしくなってほんの一瞬で唇を離して、
至近距離で雄哉の顔をじっと見てしまう。
よく見ると雄哉の眉毛が寄っていて、しかも目の下にはクマができている。
もしかしたらこの三日間、ほとんど寝ずに俺の様子を見ていたのかもしれない。
退院して初めて三日連続で睡眠薬を飲んだ。
自分が知らぬ間にパジャマを着ていたので雄哉が着させてくれたのだろう。
「ごめんなさい…」
そう雄哉に謝る。
俺がいなければ雄哉の目の下のクマはなかった。
俺さえいなければ…。
そう思うのにこの腕に抱かれたい。
なんて俺はワガママなのだろう。
雄哉の対する想いは無理してでも蓋を閉めないといけないのに…。
それなのにキスしてしまって、
「ごめんなさい…」
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