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「ああ、今度は雄哉に内緒で逢引きしような」
逢引き…?
俺の知らない言葉。
雄哉は舌打ちをするので、どうやら雄哉を不愉快にさせる言葉だったらしい。
そんな雄哉を鼻で笑って勇輝くん達は部屋に帰る。
「なーに?逢引きって?」
雄哉は俺に聞いてくるけど、
あいにく俺も言葉の意味がわからないので首を傾げる。
「知らない…。あらびきウインナーなら知ってる…」
「そう…」
素直にそう言うと雄哉は項垂れる。
「勇輝が勝手に言っているだけか…。ならいいか、言わせておけば…。とりあえず俺達も部屋に帰ろう」
俺は頷いて雄哉と部屋に帰った。
部屋に帰ると雄哉はなぜかご機嫌だ。
ベッドに二人で座る。
「翔、いいもの買ってきたんだ」
「いいもの…?」
もしかして、どこかの名産物を買ってきてくれたのだろうか。
あ!苺…!?
俺の目が輝き出したのがわかったのか、雄哉は申し訳なさそうにする。
「あー、ごめん。食べ物じゃないんだ…」
食べ物じゃない…。
少なからずショックを受けるけど、じゃあ雄哉の言ういいものってなんだろう?
「じゃーん!」
雄哉が俺の前に出してきたのは、
「…スマホ…?」
新品のスマホだった。
「そう、翔専用のスマホ!これを契約をしに行っていたの。ほら、俺に黙ってメロンパン屋の女のところに逢引きしに行かれても困るから」
あ…、逢引きの言葉の意味を何となくわかったかもしれない。
そしてまたメロンパン屋の女って言っている。
俺は店員さん目当てじゃなくて、メロンパンが食べたくて行っただけなのに…。
雄哉って本当に執念深い。
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