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君の好きなモノside吉岡尋海
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「なっ何が好きって…?」
旭の問題の趣旨をうまくつかめない。
何が、とは何を指し示しているのだろうか。
食べ物スポーツ芸能人アニメ…様々なモノが思い当たっては消えていく。
旭はきっと質問の幅を狭めるつもりはなかったはずだ。
そっちに限定しているつもりはないはず。なのに俺はどうして一つのことしか思い浮かばないんだろう。
好きなものはなに?
というさりげない話題を出してきたに過ぎない筈なのに。
俺の脳内は、旭の笑顔で埋め尽くされた。
すっ好きってそういう好きじゃねえだろうが!?
不埒な方向へ思考がハンドルを切っていく。
ここは適当にゲームとか答えときゃいいんだよ。
なのに誤魔化しの言葉すら思い浮かばない。旭しか思い当たらない。
近頃俺が専らはまっていて好きなのは旭だけ。旭しかいない。旭が好きなんだ。
好物のプリンよりもお気に入りの兎のぬいぐるみのリリィよりも旭が好きだ。比べるもんじゃないかもしれないけど。でもそれぐらい好きなんだ。
バカ正直に答えそうになる喉を無理やり握りつぶす。危なかった。
「すっすきって………」
やばい。恥ずかしくなってきた。きっと俺の顔は真っ赤だ。
逆上せそうになっている頭を抱え、俺はこみ上げてくる恥ずかしさをこらえていた。
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