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優馬の抵抗2
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秋風が教室に吹いて、教科書のページがめくられる。
2学期は特別自習室を使わずに教室で勉強した。
自分の家は弟に邪魔されてしまうし、図書室は…あの出来事を思い出してしまうから使うことができなかった。
教室であれば、いくら先生でも手をだすことはできないだろうし、いざとなれば逃げることだってできる。
夕刻を知らせるチャイムが鳴る。
西日が射して眩しくなり、優馬は教室のカーテンを閉めた。
コンコン、と教室の木製のドアをノックする音が聞こえた。
ガララ…
木と窓ガラスが擦れる音がして、ドアから姿をみせたのは菊池先生だった。
「…こんにちは」
優馬は他人行儀に菊池に挨拶をした。
「こんにちは、神崎」
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