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【人間なんか汚い】*遥燈side
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痛い……、
どうにかして走るが、蹴られた腹が悲鳴をあげる。体が鈍ってしまったようだ。
汗が頬を伝う。
痛い、痛い……
でも逃げろ、また捕まればもう逃げ出せない。
後ろから足音がする。……死神が起きたか……?
くっそ、早く行かなきゃ。
「おい黒猫!!どこいった!」
まずい、このままだと……。
「……あ。」
逆光で顔が見えないが、誰かが角から出てきた。
目の前に立ちはだかるもの。
それは。
「ゆい…と……?」
「……遥燈。ごめんね……。俺は君を助けられないから、俺を倒してほしい。
そして見捨ててくれ。」
「……結人。俺にそんなことする余裕あると思うか?」
少し笑ってみせる。
ただ、疲れた顔では何の役にも立たないと思うが。
……と、そこで全身の力が抜ける気がした。
「遥燈……!遥燈、だめだよ!めを開けて……」
「……ぁ……、ごめ、……」
結人、ごめん。
君に更に傷を付けることになって。
俺はもう、友達失格かもな。
*
起きると、さっきのコンクリートの部屋に戻っていた。
今度は、右手だけじゃなく、左手にも枷が付いている。
「……ただいま。また戻ってきたみたいだ。」
はぁ、っとため息を吐いた。
「脱出に失敗するとか、ダサいな、俺。」
「たしかにダサいなぁ。」
ドアを見れば死神が立っている。
……またかよ。
「さっきは良くもやってくれたな?
そのお礼になぁ、沢山のお友達連れてきたんだよ…。入れ」
……嘘だ…………。
「なん、で……っ、なんで……っこいつらがここに……!」
見覚えのある顔、レイプ……。
急に体がガタガタと震え出す。
「またヤりたくなったんだよ。黒猫。」
「次こそはあっちの意味のネコにしてやるよ。」
ぞろぞろと俺の周りに集まる。
体が上手く動かない。
なんで、なんで……っ、こんなこと、人生で2回も……!
「……ぃ、やだ、やだ、…触んな!!」
「はははっ、怯えてやがるぜ。」
「あのコワーイ威勢はどこにいったんでちゅかねー?」
一斉に腕やらなんやらを掴まれ、更には服を脱がされる。
「やだ!!やめろ!!」
「うるせぇ!!暴れんじゃねぇ!!」
そう言うと、俺の顔を殴った。
口のどこかが切れたのか、血の味がした。
それでも諦めるつもりはなく、抵抗した。
「やめろ!!離せ!離せよ!!」
「うるせぇっつってんだろが!!!」
ガッ
「うっ……!」
「猫は大人しく鳴いてりゃいいんだよ。」
くそ、こんな所で2度も同じ目に遭うなんて……っ
……誰か、誰か助け……
あれ。
……俺に、そんな人いたっけ……。
結人には裏切られ。
生徒会の2人はただ、仕事を手伝ってあげる友達……とも言い難い関係だし。
姉貴は女だし。
……あれ、おかしいな。
いつから俺は1人じゃないと思い込んでたんだろう。
親が死んで、親戚に姉貴と引き剥がれそうになって、……それから?
思い出せない、思い出せないなぁ、どうしたんだっけ。
……あ、俺には姉貴しかいなかった……。
「お?なんだ?急に大人しくなったな。」
「そっちの方が好都合だ。」
「えー、俺は泣いて喚いてる方が好みなのになぁ。」
「おーい、生きてるかー?」
笑い声……、嘲笑した言葉……。
人の醜い心……。汚い……汚い……汚い……
触れる口、肌を滑る手。
……汚い。
「……お?泣き出したぞ遂に!」
「おい、もっと嫌がれよ!」
蹴られても痛くない。
いや、痛いのかもしれない。
でも、痛みが来ない……。
「……こりゃダメだな。あー、俺萎えたわ。」
「そうだな、俺も萎えた。」
「いや、待てよ。肌は綺麗だぜ。」
「…………きた…………い」
「……あ?」
「……汚い……。俺に触んな……」
「……は?もう一度言ってみろよ、コラ!!」
「お前ら人間なんか汚いっつったんだよ!!嫌いだ、死ね、死ね!!」
「お、やる気スイッチ入ったわ、俺。」
「俺も。」
「……さ、楽しませてよ。黒猫ちゃん」
「大っ嫌いだ!!!死んでしまえ!!!!」
殴られる、探られる、触れられる……。全てが嫌だ。声も、顔も、音も……。
見たくない、見たくない。
全部消えろ。
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