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【夢での出来事】
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*
夜、姉貴と少し話をした。
「ねぇ、姉貴…。」
「ん?何?」
「……俺、夢を見たんだ。」
「……夢?」
「……昔の、母さん達がいた時の、あの家での……。事故の直前の家でね…母さんが1階から呼んだから、1階に降りたんだ。そしたらこれから旅行に行くって言うから、死んじゃうから行かないでって言ったんだ。……そしたら……」
「そしたら?」
「母さんに、何言ってるのって……もう死んでるのにって言われたんだ。……どういう意味だと思う?」
……思い返しても、あの言葉の意味がわからない。
確かにあれは事故が起こる直前の出来事。
それなのにどうして母さんはもう死んでるのになんて言ったんだろう。
「……そうか、そうね。…もう死んでるのにって言うのは…憶測だけど、多分、もう苦しむことは無いって言いたかったんじゃない?既に死んでるってことは死ぬってことの痛みを知ってる。だから、苦しむことは……あれ?自分で言ってわからなくなっちゃった。」
……いいや、違う。母さんは俺に言った。
そして一瞬、母さんが母さんじゃなくなった。
…何かに憑かれたかのような顔をしてた。雰囲気も。
……意味がわからない。
頭が痛い。もういい、寝ちゃおう。
「ありがとう姉貴。寝るね。」
「うん、おやすみ。」
俺は何も考えずに寝た。
*
朝起きると、姉貴はまだ寝ていた。
一体いつまで起きてたんだろう。
寝息が聞こえてくる。……これで姉貴じゃなかったら嫌だな。
お腹すいたな……ということはもう7時……8時くらい?
朝ごはんはいつくるって言ってたっけ。あぁ、でも、病院のご飯は美味しくなかったんだった。美味しいご飯食べるために、一刻も早く目が見えるようにしなきゃ。
と意気込んでると、コンコンというノックがして、看護師、と思われる人が朝食の時間ですよーと声をかけてくれた。
ちょうど良かった。お腹すいてたし。
「ありがとうございます。えーっと……箸……」
「箸はこれですよ。」
箸を探していると、看護師さんが、箸で手をつついてきた。
俺が触れられるとびっくりするのを知ってるからか。
もう1度礼を言うと、足音が聞こえた。
行ったのかな?
「頂きます。……んーと、……何処だ?あ、これか。……うん、味薄い。…サラダかな?」
……でも何となく違う気もするけど……。
病院食は美味しくないな。
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