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【泣いてたのです】*副会長side
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あの報告によれば、前園 誠と立花の関わりがある…と。会うとすれば、屋上ですかね。
それ以外では滅多に会わないだろう。
購買や食堂なら有り得るかもしれないけれど。
前園は用心しなければ。
立花がいじめられる側になっている今、近づくやつに信用なんてない。
立花は少し精神不安定だから、辛そうには見えませんでしたが……。
それに、前園が立花に気を持ったりしたら困りますし。
ライバルが増えちゃいますからね。
桐島がいて、蓮夜がいて……どれだけ男に好かれるんだろうか、立花は。
彼を想ってる身としては放っておけない。
今日は直接見に行きましょうかね……。
今はやることがありませんし……。
そう思って、生徒会室を後にした。
*
「な、何をしているんですか……!立花、なんで両手を広げたんです!?」
ーーあぁ、見てしまった。直接見に来るんじゃなかった。
立花が戸惑ってると思ったら、いきなり両手を広げて……。そして前園が抱きついて……!!
くっ……羨ましいですね!早く離れろよ本男!
思わず手を握る。
悔しい。
私は手で少し触れたことしかなかったというのに……。
これは、蓮夜とともに前園を追いはらっ……
…ん?
…なんで立花、泣いてるんですか……。
前園が変なことを言ったんでしょうか。
もしくは…抱きついてもらって嬉しい……?
いやいやいやいや、それは無い!だってさっき、戸惑ってて…。
「……それはどういう涙なんですか……。」
心のどこかが痛んで、その場を去った。
*
生徒会室に戻り、会長に見たものを報告していた。
「…立花が、前園と接触していました。」
「ほぉ。それで?」
「………立花に前園が抱きついて、その後立花が泣きました。どういう涙なのかは知りませんが……」
「…ん?泣いてた?」
「はい。最初は何かに気づいたように。それからは叫ぶような……。」
「……叫ぶ……か。直接聞いてみるか。立花にも、前園にも。」
「何も無いといいですね……。」
2人で窓の遠くを見るような死んだ顔をした。
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