アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
【お久しぶりのご登場】
-
誠くんが言った後、1人で後悔していた。
「友達でいてっていうの忘れちゃったな。」
今の俺には友達っていう存在が大切だと思うんだ、うん!
精神を安定させるには、周りにいい人がいた方がいいと思う。
利用するなんて言ったら、……もしかしたらそうかもしれないけれど……。
ようやく出来た、心を開くことが出来た後輩だから。
勿論、会長とか、副会長も信用してるけど、仕事してる人だからなぁ……。
忙しいと思うし、迷惑かけたくないし。
そういう人が出来てよかった。姉貴も隼人さんも仕事だし。
亜門先生はなんとなく怖いから近づかないでおく。
1人で高揚した気分でご飯を食べてると、屋上のドアが開いた。
「でさ、今度勇気もどうかなって。」
「えぇ〜!そうなんだ!僕行きたいな!」
「ちょっと…僕のこと忘れてない?……あ。」
うわ、有本御一行。
書記……だったっけ。
こっち気づくからみんなこっちに気づいたじゃないですかやだー。
「何?こんな所でひとり飯とか受けるんですけどぉーっ」
女子高校生か。
「秋人くん、ダメだよそんな事言ったらっ。悲しくて泣いちゃうからぁ。」
「そうだったね、僕がちょっと握っただけで痛いっていうほどだもの。きっと豆腐メンタルだね。」
腕の痛さと心の弱さは関係ないからっ!
豆腐メンタルとか失礼なやつだな。
というかなんで、こいつらここに来たんだ……。
「なんか言ったらどうなの?あぁそうか、いじめられっ子だから、怖がって何も言えないんだね、可哀想に。ふふっ」
絶対思ってませんよね?
そう思ってちょっと睨み返してみる。
「そんなこと、全然ないけど。」
2度目は同じ目に遭わないからな。触れられないように気をつけなきゃ。副会長によれば、運動抜群らしいし。
「随分生意気になったなぁ。反抗期ですかぁ。反抗する親もいないけどな。」
わははっと笑う秋人……?って会計。
「親がいなくて何が悪い。」
「可愛そうだっつってんの。慰めてもらう親がいないから、俺らが慰めてやるよって言ってんの、わかる?」
「分かりたくない。親がいなくたって支えてくれる人はいる。」
「じゃあなに?親なんかいらないって言いたいの?」
「そんな訳あるか!目の前で突然いなくなった親のことをそんなふうに思うやつがいるか!
死んだんだ。それ以外に何も無い。だから受け入れるしかない。受け入れて、生きていくことが大切だろ。死んだ人間が生き返るなんてこと、ないんだから。」
「はぁ?なんなの、アンタ。何様のつもり?
」
「何様も何も、俺の意見を述べただけだ。好き勝手言われて黙るやつなんていないだろ。」
「……何お前、腹立つ野郎だなぁ!!」
会計が俺に向かって拳を振った。
俺は、ギリギリでその拳を避けた。
会計が悔しそうに唸り、もう1発、もう1発と拳や足を振る。
だけど、かつて一つの学校の喧嘩が強いナンバーワンになった俺にはそんな攻撃は芋虫のような遅さに感じた。
「なんで当たんねぇんだ……!もう1回……!」
「……もういいよ。秋人くん、涼くん、行こう。疲れてきちゃった。空き教室でサボろう?」
「え、……あぁ。」
どういう風の吹き回しか、有本が会計と書記を引き連れて空き教室にサボりに行ってしまった。
一件落着?
……なんで有本は急にあんなこと言い出したんだろ。
それに途中から黙ってたし。
……なんか訳がありそうだなぁ。あんまり突っかからないようにしようっと。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
62 / 154