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【友達】
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「…っ、結人!」
結人は俺の声を聞いて逃げ出した。
「あ、ちょ、まっ……!待ってって、結人!!!
えっ、うわっ、」
待ってっていったのはこっちだけど、結人が急に止まるから、背中にぶつかってしまった。
「あ、ごめん。大丈夫?」
そう問うけど、結人は何も言わない。振り向きもしない。
「あー……もしかして痛かった?ごめん…。
ていうか結人、なんでこんな時間に学校来てんだよ。授業は昼間に習うもんだぞ。
……なぁ…」
結人は黙りだった。
頷きすらない。
初めての、" 友達 "という概念が崩れ去っていく瞬間を見た。
それに胸が痛んだ。痛くて、痛くて……。
「ゆぃ、と、……グスッ……」
泣いてしまう。
涙もろくなったなぁ。と、我ながら思う。
結人は肩をぴくりと動かしたけど、それ以上何もしなかった。
「結人、なんか言えよ!」
「……なんでここに来たの。帰ってくんない?
それだけ。」
「……っ……!」
あ、崩れてしまった。ヒビが入って、また崩れた。どんどん塔は消えていく。
まって……
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