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【誰だったんだ?】
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「あははははっ」
「は?何急に笑い出してんだコイツ……」
「楽しいね、楽しいね!
僕とーっても楽しいよ!こんなにみんなから嫌われてて、とっても嬉しいよ!
面倒なことに付き合わなくて済むもんね?ね?ね?」
「……気持ちわりぃ……なんだこいつ」
「君も僕が嫌いでしょ?僕も嫌いだからさ、関わる必要なんて全くないんだよ?ね?
面倒なことが減るんだよ?ね?
楽しいな、楽しいなあ。」
楽しい。
嬉しい。
人と関わりたくなくて、楽しい。
ほかの人とは違う僕が、嬉しい。
人じゃない僕が、たまらなく嬉しい。
楽しい。
ネガティブが返って楽しくてしょうがない。
でもなんだろう、これ……。
僕であって僕じゃないみたいだ。
変だな、変だな。
「ねぇ、君はさ、」
「あ?」
「人を殺すことが出来る?」
「……何言ってんだお前。お前だろ、殺すことが出来んのは!」
「知らないの?人を殺すことなんて、優しい人でも、意地悪な人でも、誰でもできちゃうんだ。だってさ、背中押すだけ。刃物刺すだけ。縄で縛るだけ。押さえつけるだけ。殴るだけ。引き金を引くだけ。
誰にだってできるんだ。君も殺せば?
僕のこと、嫌いだろ?」
ま、待ってくれ。俺は、こんなこと思ってない!!
俺は、……!違う!俺は立花遥燈なんだ!
じゃあ今の俺は誰だっていうんだ?
仮想?
夢?
なんで、助けて。ちがう、死にたくない……!
ゆっくりと近づく風人。
気がついたら俺は、風人を突き飛ばしていた。
その反動で座り込み、壁に頭をぶつけた。
「いた……っ……。
あれ、俺……!なんで……?」
「いってぇな!なにすんだ!殺せっつったのはてめぇだろ!」
分かんない。俺であって、俺じゃなかった。じゃあ……一体今のは……
誰だったんだ。
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