アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
【迷惑と自爆】
-
「君のお姉さんがどうなってもいいのかね?」
……何言ってるんだこの人は。
頭が回らない。
「私が悪行を働いてること、知っているだろう?君は理事長の弟だからね。きっと色々調べたんだろう?有本家を。」
「…あぁ。調べましたよ。それで……?それで姉をどうすると?」
「殺す。」
「……は?」
1人混乱する中、淡々と語り出す庄司さん。
「それもねぇ……じっくりと痛めつけてから……。あぁそうだ。性行為に飢えてるそこら辺のおじさんでも一緒の部屋に入れてみようか。
きっと君のお姉さんは美人だからね……。
手を出すと思うよ。
それともあれか。
凶暴な犬に噛ませようか。
手を火炙りにし、腹にメスを入れ、目を抉りだし、爪を剥がし、熱湯をかけ……後はどうしようか。
じっくりと、ゆっくりと殺せば……君にとって
、どちらも後悔する道だ。さぁどうする?」
「っざけんな!!!!テメェ!!!」
「おぉっと。暴力はいけないよ、遥燈くん」
「姉貴は!?姉貴は今どこにいるんだ!!」
「君のお姉さん…麗華さんは今、この状況を見ていると思うよ。既に牢に入っているからねぇ。」
なん……だと?
もう既に牢に……?
「君がうんと頷けばいい話さ。
君のお姉さんは助かる。
どうする?有本家の人間になるか……、断って自分の姉を殺すか……。」
「……。」
俺は何も言わなかった。
言えなかった。
うんと顔を縦に振ればいいだけなのに。
「じゃ、じゃあ……俺が有本の人間になって、姉貴とか、周りの人間に手を出さないよな?」
「そうだな。二度と会えないようにはするが。」
二度と……。
「時間もらえますか。」
「……仕方ない。2日間だけ、ここの有本の家にいくらでもいればいい。ただし外に出るのは禁じる。
そうだ、部屋を案内しなさい、平川。
二日後にはここを発たねばならん。
それまでに決めるよう、よろしく頼むよ。遥燈くん。」
ゾワリと、全身の毛が逆だった気がした。
* * *
また、まただ。
俺はまた、自分のことで周りに迷惑をかける。
なんでだ。
なんで、俺は成長することが出来ない。
何度やっても、自分ひとりでは解決出来ないようなことに首を突っ込んでは、自爆する。
与えられた部屋で、考えた。
フワフワのベットの上で、横になる。
もう夜中だが、全く眠れない。
食欲もない。
どうしたらいいのだろう。
神は俺に何をさせたがっているのだろう。
教えてくれ……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
106 / 154