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ep13
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学校に行くと昨日の騒ぎの事が気になるのかクラス中の視線が集まった。
「多田ぁ、おはよ」
「藤吉君おはよう」
隣のクラスから藤吉君がやってきて眠そうに挨拶をする。
通りすがりに先生に「朝からいるなんて珍しいな!」と肩を叩かれてた。
「寝癖ついてねぇ?」
「うん、大丈夫」
「そう?」
赤紫の髪を触りながら自然な動作で藤吉君は教室に入った。
あまりに自然すぎてその行動を普通に受け入れてしまう。
「ふ、藤吉君...?もうホームルーム始まるから自分の教室に戻った方が...」
「やだ。今日は多田のクラスにいる」
「だめだよ!」
「いいの、おれ頭いいからたまに授業出ればいいし」
「そういう問題じゃない...ほら帰って...!」
意地でも教室にさらに入ろうとする藤吉君を両手で押し返そうと奮闘する。
負けじと藤吉君も応戦してくる。
さらに押し返す力を強めた。
「ちょっ...と...!?お前意外に強いな!!」
「運動神経は悪いけど握力はあるから...!つーか藤吉君が頭良いとか噂でも聞いた事ない!!」
「おれはまだ本気出してないだけ!!」
背中にクラスメイト達の生暖かい視線を感じるような...。
いくら押し返そうとしても諦めが悪い藤吉君は一歩も引かない。
そろそろ体力が切れそうだ。
「...藤吉君...ッ!!」
「ここで授業受けるっつってんだろ...!」
「もう...!!」
駄々をこねる子供の面倒を見る親の気分だ。
体力が切れた俺は息を切らしながら腕を下ろした。
嬉々とした顔で藤吉君が俺の席の隣に座る。そこは確か今日休みの女の子の席だ。
結局教室に入ってきた先生は藤吉君をチラ見したものの何故かスルーし普通に授業が始まった。
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