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ep16
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俺が連れてこられたのは体育倉庫だった。
「お~、田原おっせぇじゃん」
「あぁちょっと邪魔な奴がいてさぁ」
「あ?藤吉?」
狭くて薄暗い体育倉庫の中に数人の笑い声が響く。
多分不良...田原君の仲間だ。
...これから何をされるか、なんとなくわかる。
ついこの間までは殴られたり脅されたりなんて日常茶飯事だった。
だからわかる。
「んだオマエ、怯えてんの?」
「かわいそー」
「ギャハハハハハ!」
無意識に体が震えてたらしい。
俺の恐怖を感じ取って不良達はそれを笑った。
声の数から6、7人はいるだろう。
「もしかしてこれからリンチされると思ってる~?」
「正解ー!」
笑い声が大きくなる。
恐怖が膨らんで背中に嫌な汗が伝った。
足も震え出す。
でも頭の中だけは冷静だった。
...もし顔を殴られたら誤魔化すのが大変だ。
殴られた痕をどうやって父さんと母さんに隠すか。
...それと、藤吉君にもなんて言おうか。
「.....................」
「なんだコイツだんまりか」
「怖くて声出ねぇんじゃねぇの?」
ぼーっとしてる俺の顔を知らない不良達が覗き込んで馬鹿にする。
「言っておくけどよー」
見下しながら田原君が口を開く。
「藤吉の奴、ぜってぇに来ねぇから」
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