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ep31
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多田に彼女がほしくないのか聞いた。
返答は勿論、いらない、だそうだ。
まぁ、お人好しそうで弱いコイツならそう答えるよななんてほんのちょっとの嬉しさと冷静な頭で納得した。
きっと多田は寄り添えれば誰だっていいんだと思う。
「おっ、藤吉が真面目に授業受けてるなんて珍しいな」
授業中断してまで声を掛けてきた教師を無視して突っ伏する。
笑いは起きない。
皆おれが怖いんだ。
「おい、藤吉来い、ここ解いてみてくれ」
「......は?」
無視した仕返しなのか知らないけど教師はおれを指名してきた。
めんどくせぇと思いながら立ち上がって黒板の前に出て答えを書いていく。
「できたけど」
チョークを置いて教師を見る。
驚いたのか間抜け面だった。
「やっぱり頭良いじゃないかおまえ...」
無視して席に着く。
数学なんて簡単だろ...。
その後はいつも通りぼーっと授業を聞いて鐘がなるまでちゃんと席に座ってた。
ホームルームが終わって早く多田のとこに行こうと教室を出ようとしたら教師が話しかけてきた。
「なぁ藤吉、ちょっと提案なんだが放課後、特別授業を受けないか?」
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