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お前と俺。
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「オレ!おっきくなったら利人とけっこんする!」
「…うん」
俺は小さく頷く。
それを遠くから見ている父と母はまだ幼い俺たちの戯れ言だとくすくす笑みを溢す。
ピピッピピ----
規則正し機械音と共に俺の意識が浮上する。
まだ重たい瞼を開け、その機械に手を伸ばし音を止めた。
何故か懐かしい夢を見た。あれは何年前のことだろうか。
そのまま漏れる欠伸と共に身体を伸ばし、下から匂う芳ばしい香りに誘われるように自室から出ていく。
扉を開けるとトントンと包丁を使う母親、テーブルには白米と魚、それに手を付ける人真。
「あら、利人おはよう。今お味噌汁出来るから先座って人真と一緒に食べてなさい」
テーブルの椅子を引いて座る。
これは毎朝のこと。
目の前に人真がいて、その整った顔でテレビを見ながら朝食を口にしているのもいつものこと。
「…はよ」
俺は小さく言葉を溢す。
それに人真も「…おはよ」とそっけない返しが返ってくる。
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