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崩壊と俺。
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泣いてる姿なんて人真に見せたくない。
俺は俯きながら首を横に振る。
そしてその場から逃げるように人真に一言告げた。
「…風呂、入ってくる」
そのままリビングのドアを閉め2階にある自室へ向かう。
自室に入ると俺はドアを背凭れに膝を立てて座る。
人真は今もまだ冷たいけど、時折見せるあの優しい声と表情に正直戸惑う。
人真は今、何を思って俺に冷たく接するの?
人真は今、何を思って俺に優しい声で話しかけるの?
昔は人真の事なら何でも知ってたし、何でも手に取るようにわかった。
でも、今は人真がわからない。
俺は、昔みたいに自然に人真に話しかけて、下らない会話をして笑いあっていたいだけなのに…。
ねぇ、人真?それはもう叶わないの?
あー、だめだ。こんなのいくら考えたってわからない。頭の中がぐるぐるしてまた涙が出てきそうになる。
俺、いつからこんなに涙脆くなった?
俺がこんなに悩んでんのも涙脆くなったのも、全部全部人真のせいだ。
そう考えたら無性に腹が立ち俺は下着を片手に風呂場に向かう。
湯槽は好きだが、浸かっているとまたいろんな事を考えちゃいそうなので今日は素早く出る。
下着を身につけ、まだ濡れて滴る髪をタオルで拭きながらリビングへ足を向ける。
扉を開けるとすげーいい匂いが鼻を掠める。
俺は料理とか出来ねーけど、人真は手先が器用だからこうゆうのは得意だ。
俺が何か手伝うことはないかと口を開こうとすると、人真が俺に気づいたのか振り向く。
振り向いたその表情は驚きと、何とも言えない気まずそうな顔。
そしてすぐに俺から目をそらした。
そんな人真の様子に気付かない訳もなく、心配そうに人真を見る。もしかしたら体調が悪いのかもしれない。
そんな事を思っていた俺だが、次に発せられる人真の一言に俺は呆気に取られた。
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