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痣と火傷 3
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晄士side
遠くでザーザーと鳴っていた水音が止んだ。
そろそろ上がったか。
澄和の作った夕飯を食べ終わった後、さすがに片付けくらいやらせろとスポンジを奪い取った。
なのに、いやでもやっぱり、とかなんとか言いながら周りをせかせかと動き回るので風呂にでも入ってこいとバスルームへ向かわせたのだ。
「すみません、お客さんに片付けさせてしまって」
扉を開けリビングに戻ってきた澄和を、思わず二度見した。
「……脚」
「へ?」
「いや、なんでもない」
「スウェットと間違ってハーフパンツ持ってっちゃってて!びっくりしました!」
こっちがびっくりするわ!と声を大にして言いたい。
ハーフパンツから伸びた足はスラリと細く白くて、毛なんて全く見当たらず、本当に男の足かと疑いたくなるようだった。
とりあえず早く着替えてきて来い、俺の願いは無残にも報われず。
部屋に軽快な音楽が鳴り響いた。
「あっすいません、ちょっと電話失礼します」
どうやら澄和のスマホだったらしく、俺に断って電話に出る。
綺麗な素足に少し大きめのスリッパ。
襟足から滴る雫。
そんなことはありえないのに、変な気でも起こしそうであまり視界に入れなようにした。
「もしもし!!!お久しぶりですねっ!
お話したいと思ってたんです!」
折角逸らした目線をまた澄和に戻した。
…なんだあの顔。
澄和は、俺の前では見せたことのないまぶしい顔をしていた。
目を輝かせ、とめどなく喋る。
嬉しくてたまらないというのが声にも表れていた。
彼女か…?
女いるなら言…
「スーツ!素敵ですね!
千景(ちかげ)さんなら何でもお似合いですきっと!
…え?!俺が見繕っていいんですか?!」
…男か。
余計に安心するはずなのに、謎にもやもやとする気持ちを静めるようにはぁ、と息を吐いた。
そしてもう一つ。
俺は、俺の心を揺り動かすものを見つけてしまった。
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