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痣と火傷 4
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白い首筋に咲いている赤く色付く花。
そして、なんで直ぐ気づかなかったのか不思議に思うくらい青紫色に変色している痛々しい痣。
それは澄和の綺麗な足に濃く刻まれている。
「すいません、長く話しちゃって」
電話を終えたらしい澄和が絨毯に座っている俺の横にペタンと腰を下ろした。
「いや。それよりさ」
俺よりずっと華奢な腕を引き距離を縮め、首筋に手を這わす。
「これ、どうした」
「…へ?!なにかなってますか?」
「赤くなってる」
「…あ。たぶん、火傷です。
天ぷら揚げる時、油とんじゃって」
全く目を合わそうとしない澄和。
「舐めてやろうか」
「なっ…!何言ってるんですか!」
「冗談」
澄和はバッと顔を上げたが、俺がニヤリと不敵に笑うとすぐに目を逸らした。
そして押し倒されかけている自分の体を起こそうともがきだす。
その動きを封じるように続けて膝辺りに手を移動させた。
「じゃ、これは?」
「ま、まだありますか…っ」
「こーれ」
痣を人差し指でトントンと叩く。
あー…なんかおかしいな。
イライラしてる訳では無いけど、電話にも怪我にも良い気分はしなくて。
自分が突拍子もない行動をしているのは自覚していた。
何も言わないことを追い詰めるように痣の上の指を摩るように動かすと、慌てふためいた様子の澄和はやっと何のことか分かったという風に顔を上げた。
「…け…した」
「ん?聞こえない」
「…っコケました!!」
「え?」
なんというか、まぁ正直に言ってしまえば間抜けな返答に唖然とする。
「夕飯食べる前に、インターホン鳴ったから蓮見さんだ!と思ってちょっと…ほんとにちょっとですよ?
はしゃいで玄関まで行こうとしたら、
滑ってコケたんです…」
恥ずかしさで伏し目になりながら告白する澄和が可愛らしくて、俺だと思ってはしゃいだというのが嬉しくて、声を出して笑う。
「…なっ。
じ、自分から聞いといて笑わないで下さい!!」
澄和は、俺が笑っているから馬鹿にしていると勘違いしたようで半分泣きそうになりながらむくれる。
「っていう、冗談だろ?」
「……………………そうです」
「ぶふっ」
「やっぱり馬鹿にしてるーー!!!!!」
喚く澄和はやっぱり可愛くて。
頭を撫でながら
愛しい、漠然とそう思った。
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