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電話の男 3
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「えっと、ともだ…いや、お隣さ…でもないか。
上の階の人です!」
改めて聞かれると蓮見さんとの関係は曖昧でよく分からない。
「…それで、ただの上の階の人が
なんで澄和の部屋で夕飯食べてるの?」
怪訝そうに聞く千景さん。
「流れ?…ですかね」
助けを求めようと蓮見さんをちらりと見るけど
蓮見さんは、上の階の人です!辺りから肩を揺らし笑いを堪えているだけだ。
ひどい。
「大丈夫なの?」
少しの沈黙の後
千景さんが発したその5文字に、
ありったけの心配が詰め込まれている気がした。
「ご飯、美味しく食べられてる?
自分でちゃんと作ってるの?」
責めているともとれるその畳み掛ける質問に、今度は蓮見さんが訝るような表情をして。
そうじゃない。
全然そうじゃないんだよ、蓮見さん。
千景さんは本当に俺のことを心配し、心の底から想ってくれているだけ。
「…っはい、自分で作ってます。
美味しいです、ご飯。
それに最近は蓮見さんが一緒に食べてくれるので」
「そう…良かった」
だって、世界でただ1人。
千景さんだけが、俺の''全て''を知っている人だから。
目を細めぽんぽんと頭を撫でてくれるその手がどこか懐かしいような気がして、胸が締めつけられた。
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