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信用 5
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1コール、2コール…呼び出し音に合わせ心臓がどくどくと波打つ。
「…もしもし」
低くハスキーな懐かしいその声をきくだけで安心が広がっていく。
「…ぁ。はすみ、さん…っ」
絞り出した声は自分の想像以上に震えていて、
電話の向こうで蓮見さんがはっと息を呑んだのが分かった。
「澄和!?どうした!?」
「…った、たすけてください…」
一言。たった一言助けてと口にすれば、悲痛な叫びが次から次へと口を衝いて出た。
「あの、電車で、なんか触られて…
別に気にしなかったら、いい、んですけど
俺こんなだから…
気持ち悪い…もう嫌だぁ…っ」
「すぐ行く。待ってろ」
蓮見さんがあまりにも力強く答えてくれたからか、電話が切れても寂しさは全然感じない。
それどころか声を聞いて落ち着いたことでだんだん恥ずかしくなってきた。
引いてないかな…電車の人みたいに。
お仕事中だったかもしれないのに面倒くさいだろうな…。
ていうか場所…!
すぐ行くって言ってたけど俺の居場所伝えてない…
えっこれ大丈夫かな。
また不安になりかけていると、
「…澄和?俺。開けて」
待ち望んでいた声が聞こえて、ガチャリと鍵を開け勢いよく飛び出た。
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