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信用 6
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晄士side
胸の中に飛び込んできた細い肩を受け止める。
「大丈夫か?とりあえず帰れそう?」
できるだけ優しく問うと、こくんと頷いた澄和。
いつも楽しそうにはしてたけどどこか遠慮がちな所があったから、こうやって子供みたいに擦り寄ってくるのは初めてだ。
「すぐの距離だけど車で来たから、行こう」
「く、車!?」
ばっと顔を上げた澄和の表情からして、おおよそ俺が車持ってることを知らなかったんだろう。
今はそれよりもその白い頬に残る涙の跡が痛ましい。
ーーーーーーー
「………あの、ほんとに大したことなくって…
呼び出しとか、迷惑かけてすみません…」
「謝るなよ」
車に乗り込むと、だんだん気まずくなってきたのか
まごついている。
可愛いけど、謝ることなんてない。
「俺結構嬉しがってるんだから」
まるで漫画に出てきそうなほど分かりやすくボンッと赤くなる澄和は、数週間前となんら変わりなかった。
「泣いただろ」
信号が赤になったのを確認して澄和の方を向き、
指で頬をなぞる。
「…いえ」
視線をさまよわせる澄和はいじけた子供みたいで。
そうか、とだけ答えてまた車を走らせた。
車窓から外を眺める澄和は、綺麗な顔の眉間にシワをよせ何かを考え込んでいるように、見えた。
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