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千鶴を指名する事で河内が俺に接触するか、またはコイツが直接俺に連絡してくるか。
コイツの目的は千鶴じゃなくて俺だということは分かっていた。
だからずっと、猫は拾っても人間は拾ったりしなかったんだ。こんな見るからにワケありの人間なんて、俺が関わっちゃいけない相手だったのに。
「お前は昔から変わらないな」
ため息をつきながら千鶴の傍まで行って抱き抱えた。
バスローブのままだけど着替えさせる時間も惜しかった。
「今度コイツに手を出したら……」
最後まで口にするのはやめておいた。
それを言ってしまったらまたあの頃に逆戻りになる気がして。
「怖いなぁ、青柳は。心配しなくてもソイツには興味ないから」
俺より背の高いソイツが出口に向かう俺を後ろから追ってくる。
「俺が興味あるのは昔も今も青柳皐月だけだよ」
ゾクリとする笑顔を見せたソイツが部屋の扉を開けて外へと促す。
俺は思わず舌打ちをして千鶴を抱えながら部屋を後にした。
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