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もう狂っているのかもしれない。
千鶴に溺れて唯ひたすら腰を振るケモノ。
これじゃあ、千鶴の客と何も変わらない。
もっと特別な意味をこの行為に持たせたいのに、本能が邪魔をする。
どうしたら伝わる?どうしたら千鶴にもっと綺麗な世界を見せてやれる?
わからない。わからないんだ、千鶴。
俺だって綺麗な世界を見た事がないから。
泥の中に浸かるように生きてきたから。
「千鶴、綺麗だ……」
千鶴の白い肌。髪。瞳。
どんなに身体を売っても千鶴は綺麗だ。
沢山の痣も傷も、千鶴の一部になって美しい。
「そんな事言うの、皐月さんだけだよ」
千鶴が見ている世界は綺麗なんだろうか。
俺もお前の見ている世界を見てみたいよ。
出来ることなら連れていってくれ。
この泥の中から引き上げてくれ。
「千鶴……」
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