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「そんな簡単にできるわけないんだよねぇ。
さっきから生意気すぎだっての。そんなに踏み潰されたいわけ?」
クイッと片手で顎を掴まれて
少し視線の高いその金色の瞳を見つめる。
この学校で見てきたものは
どれもこれも誰かの泣きそうな顔だった。
例えば
屋上で、成すすべもなく
身勝手に“力”を振るわれて
身体を震わせながら
それを受け入れるような姿。
例えば
昨日のパーティー会場。
例えば
今日の白石先輩。
「だったら、今。心なく踏みにじられる気持ちを教えてあげますよ。貴方に。」
少し高い目線の先にある
透き通るような
金色の瞳の奥がほんの少し揺れた。
瞳に見え隠れする色は
_______________僅かな怯え、かもしれない。
「会計様。」
会計が掴んでいた俺の顎から離そうとした
その手を掴み、金色の瞳を見据える。
「………怖い、ですか?」
___カチッ。
今、歯車が回りだす。
静かに、けれど、はっきりと
その歯車は回っていく。
その歯車は、もう止まらない。
本人の意思とは無関係に
“運命”の歯車が回りだした瞬間だった。
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