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「左の肋が骨折していたんだろうね。治りかけてるヒビが見つかったよ。
背中は深達性Ⅱ度熱傷の損傷だから傷跡は残ると思う。
体の傷も同じように形成外科と上手く連携をとって最善を尽くすつもりだけど、百パーセント元どうりって言うのは期待しないで欲しい」
本当はあんまり使いたくなかったんだけど、あんまりにも寝付けないみたいで、軽めの睡眠薬を点滴に投与したと一条さんは言った。
波瑠はスースーと静かに息をして小さく丸くなってベットに寝ている。
あまりにも静かに寝るもんだから、波瑠がこのままどうにかなっちゃいそうで怖くなって細く小さな手を握ろうと、ゴワゴワとした掛け布団を捲ると、波瑠の手には携帯が握られていた。
「電話が来るかもしれないってさ、ずっと握ってたよ」
「…そうですか」
寝ている波瑠を取り囲むように一条さんと父さん、そして俺がいるこの空間は不思議な感じがするけど温かいように感じる。
「前々から言っていたけど問題はメンタルの方かな。
はるちゃんは無意識だったと思うんだけど、うちのナースが声を掛けても反応のないはるちゃんの肩をトントンって触れたらしいんだ。したら、はるちゃんパニックになっちゃってね…あとは食事も摂れてなくて、トレーを目の前にして、箸を持つ手がブルブル震えててね…僕の判断で下げてもらったよ」
「でも、そゆーのひっくるめてメンタルをサポートするのが僕の仕事だからね、任してくれればいいさ〜。
あとは、うちはカウンセラーも臨床心理士も優秀な先生ばっかだからね」
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