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時計は12時40分を指していた。
僕はクリーム色の部屋で1人、絵を描いている。
けいくんはクレヨンと大きな画用紙と生物の骨図鑑を持ってきてくれた。
大きな画用紙にクレヨンでゆうくんの顔を描くんだけど、クレヨンで描いたことが記憶にある限りで初めてだから、上手く描けなくって、でもすらすら描けるクレヨンの感触が気持ちくて、とっても楽しい。
────ピロリロリン…ピロリロリン…
ピカっと僕の携帯が光って着信を知らせる。
ゆうくんからの電話ってわかって僕の身体がシュッシュッポッポーって音を鳴らして熱くなる。
「も、も、もしもし……!!」
吃ってしまった声で返事をすると、ゆうくんから笑い声が聞こえてきて嬉しくなる。
「もしもし、波瑠くんのお電話でお間違いないでしょうか」
おちゃらけたゆうくんの声。会いたいなって思いがさらに強くなって涙が出そうになるのを必死で堪える。
「は、はいっ…! ぼ、僕です」
「波瑠おはよう、体調どう?」
「げ、元気だよ」
「嘘つけ〜俺部活終わったら父さんと行くんだから、嘘ついても分かるぞ」
「う、うそじゃないよ……ご、ご飯は、ダメだけど、元気だよっ…!!」
「そっか、そーれぁなによりです。ん〜飯食べられないかあ。何か食べたいものとか食べられそなものある?」
「……ご、ごめんなさぃ…ゎ、わからない…」
「ほら〜謝るな謝るな。うーんなんか波瑠が食べられそうなもん適当に持ってくな」
ゆうくんの後ろから「彼女?」って多分部活のお友達の声が聞こえてきて、それにゆうくんが「愛しの恋人」って返してて、嬉しくて嬉しくて1人でニヤニヤしちゃう。
「あ、波瑠今顔真っ赤でニヤニヤしてるでしょ」
「し、してないよっ!」
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