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結人(ゆいと)は、路地裏にすわりこんでいた。二日前、家族に捨てられた結人は、こうして路地を歩き、もうなん時間歩いたかわからなくなってすわりこんだ。あたりはしんとしていて、体は冷えきっている。捨てられたとき金は、もっていなかったので、5日前から何も食べていない。空を見上げると、青白い月とまたたく星、そして空のやみかがある。きゅうに眠たくなってきた。この冷えこんだ路地裏でねたら死ぬのだが、結人はなんだかもうあきらめた気持ちで、目を閉じた。
「俺の人生もここで終わりか」
そして、儚く微笑んだ。
と、その時。
「大丈夫ですか?どうされました?」
頭上から声がし、うっすら目をあけて声の主を見る。
声の主は、23歳ぐらいの男の人で、顔が整っていて、とても綺麗な男の人だった。
冷えきって青白かった頬も赤く染まり、結人の体温はどんどん上がっていった。
この時結人は、はじめて人を、好きになったのだった。
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