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「そろそろ寝るか」
碓冰も風呂から上がって、くつろいでいたソファから立ち上がる。
「い、や…俺ソファで、いい…」
「は?」
こんなにドキドキしてるのに、一緒に寝るとか無理、心臓止まる、、
「んなこと言ってないで一緒に寝るぞ」
ぐいぐいと腕を引っ張られて寝室へと引きずりこまれる。
2回目の碓冰の部屋だけど、
リビングよりも碓冰の匂いが濃くなって、そわそわする。ほら、とベッドに座る碓冰に隣に来るように促された。
仕方なくその横に座ると、視界の端に碓冰は満足げに微笑んでいるのが見える。
ーーうぅ、かっこい、
いつまでもぎこちなく緊張している俺の手を、自然な手つきで握られる。ドキドキとなる心臓は碓冰にまで聞こえてしまうんじゃないかというくらい大きい。
「真波」
「…わっ、!」
ぐいっ、
名前を呼ばれた途端につないでいた手を引っ張られる。バランスを崩した俺は、碓冰の胸にダイブしてしまった。
ご、ごめん、と言って碓冰から離れようとしたけど、ガッチリとホールドされてしまったせいで、それは叶わない。
ひょい、と軽々持ち上げられ碓冰の膝の上で抱き抱えられる形で、ぎゅうぎゅうと抱きしめられる。
「真波、俺に言ってないこと他にない?」
一度腕を解いて、碓冰が尋ねる。
ーー言ってないこと、
ーー、あっ、
「っ、」
一つ思い浮かんだけど、恥ずかしくて言えない。
「ん、なに?」
ふるふると首を振るけど、たぶん碓冰には言い淀んでることがバレてる。碓冰の膝の上で向かい合っている状況で、俺の逃げ場はないのだ。
じっと俺の顔を見つめる碓冰に、いたたまれなくなる。解いていた腕が再び強まると、あやすように頭を一定のリズムで撫でられる。
その動作が
急がなくていいよ、
ゆっくり言ってみな、
って言ってくれてるみたいで少し緊張がほぐれた。
「、…で…ほし…」
意を決して呟いた声はほとんど音になっていなかった。
「もう一回言って?」
耳元で優しく囁かれると、言わないなんて選択肢はない。
「っ、なまえで、…よんでほし、ぃ…」
恥ずかしくなって碓冰の肩にに額を乗せて、ぎゅっと碓冰の体を抱きしめる。
はぁーーーとため息が聞こえて碓冰の顔を見上げると、少し顔を赤くした碓冰の顔があった。
「よかった、…そんなことか、」
何回でも呼んであげる、
そう呟いた碓冰の声は砂糖みたいに甘かった。
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