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彼女との出会い
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好きで、ごめん
好きになって、ごめん
ごめん
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「桜川くん、好きです!付き合ってください!」
長くてふわふわしてちょっと寝癖のついた髪、大きな目、ぷるんとした唇に、柔らかそうな肌
可愛らしい女の子
普通ならすぐさまオーケーするだろう
でも俺は...
「...ごめん。俺好きな人いるから...」
「代わりでもいいんです!」
いきなりの提案に少し驚く
「それじゃ、君がしんどいよ。」
「いいんです!私のこと何も知られてないまま振られるのはいやなんです。」
彼女は少し悲しそうに笑う
「でも...」
それでも俺が渋っていると
「それに!もしかしたら好きな人がやきもち妬いてくれるかもしれませんよ?」
彼女はにこにこしながらそう言ってくる
その言葉に少し動揺した
「それは...ないよ。あいつは俺のこと恋愛対象として見てないから」
俺はずっと幼なじみに恋してる
それも男だ。叶うはずもない
「そんなの、聞いてみないとわかりませんよ!」
ちょっと怒ったように言ってくる
俺の好きな人はこの子の恋敵のはずなのに顔をあかくして本気で訴えてくる様子に面食らう
「ぶくくっ」
それが面白くて吹き出してしまった
彼女は何で俺が笑っているのかわからない様子で頭の上にはてなマークを浮かべている
「あははっ」
さらにまたそれが面白くてまた笑い出す
気がつくとそんな俺を、彼女は嬉しそうに見ていた
「ふふっ。よかった。笑ってくれて。桜川くん、ずっと悲しそうな顔してたから。」
ふんわり笑う
「ねえ、名前なんていうの?」
「七瀬、双葉だよ」
やっぱり嬉しそうに笑う
出会ってまだ少ししか経ってないけどこの子になら話してもいいと思った
自分でもよくわからない。誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。こんな話誰にもできないから
「俺、さ、ずっと好きなやつ、いるんだ」
七瀬さんは何も言わずに俺を見ている
「そいつさ、」
手汗が出た手を握りしめる
「男、なんだよ」
顔を上げられない
少しして七瀬さんが話し出す
「一ノ瀬くんかっこいいもんね!すごく顔綺麗だしねー。羨ましいよ。ていうか桜川くん面食いだね!」
桜の名前が出てきたことに動揺する
「え…なんで」
「だって、桜川くんいっつも一ノ瀬くんのことみてるから」
彼女はそうかなって思ってたと言ってあははと呑気に笑っている
否定されるかと思った。でも彼女は何でもないことのように笑う
それどころか一ノ瀬くんかっこいいし私じゃかなわないなーなんて言ってる
彼女は俺の好きな相手が男であることはぜんぜん気にしてないようだった
その様子に今まで悩んできたのがバカバカしくなる
「ははっ。七瀬さん天然て言われるでしょ。」
七瀬さんは天然って言われるけど天然じゃないよってぷんぷん怒る
「七瀬さん、ありがとう」
彼女は一瞬きょとんとしていたけど、また嬉しそうに
どういたしまして!と言った
キーンコーンカーンコーン
そうこうしているうちに予鈴がなる
彼女はハッとして
「あ、もう時間がない!今日数学当たるんだった!
じゃあまたね、桜川くん!」
そう言って行ってしまった
「...俺まだ告白の返事してないんだけど…」
やっぱり七瀬さんは天然だと思った
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