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友達
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そのまま翔と晴人と適当に話しているとドアのところにこれまた盛大に寝癖をつけた女の子がのぞいているのが見えた
俺はぷっと小さく吹き出してからドアに歩いていって「七瀬さん、おはよう」と言った
七瀬さんは俺がきたことにことに気づいていなかったようでぴゃっとへんな声を出した後恥ずかしいそうに「おはよう」と返してくれた
「今日は来れたんだね。よかった。大丈夫だった?」
大丈夫と言われれば大丈夫ではないがわざわざ言わなくてもいい…というか言えないのでだいじょーぶだよと笑いながら返した
そうするとなぜかいきなり1限は何かと聞いてきた
自習だと答えると
「よしっ!屋上に行こう!」ととびきりの笑顔で言ってきた
「えっ、でも開いてないし」
「のーぷろぶれーむ!鍵持ってるから」
そういってまたにこにこしながら鍵を見せてきた
俺は七瀬さんに手を引かれて半ば無理やり屋上に行っ
た
屋上に着くと2人で並んで壁を背もたれにして座った
「七瀬さんなんで鍵もってんの?」
「んー?お兄ちゃんがここの卒業生でここの合鍵勝手に作っててそれもらったんだー。」
「へー。屋上、よくくるの?」
「うん!お昼ご飯の時はよくきてるよー。そのまま寝ちゃって5限よくサボっちゃうんだよねー。」
そんなところも七瀬さんらしくてまた笑ってしまった
ひとしきり笑って隣を見ると七瀬さんがこっちを見ながら微笑んでいた
「よかった、笑ってくれて」
「え、」
「なんかさっきほんとに一瞬だったけど哀しそうな顔、してたから」
驚いた。まさか気づかれているとは思わなかった
「…七瀬さんはさ、俺といるの辛くないの?」
「…全く辛くないっていったら嘘になるけもうほとんど吹っ切れてるから。」
七瀬さんは続ける
「告白するときは桜川くんが好きな人っているって分かってたから。諦めるために告白したから。」
予想していなかった答えに驚く
「そっか…。…あれ、でも付き合ってって言わなかったっけ?」
「1回言ってみたかったんだよね〜」
七瀬さんはあははっと笑った
「…俺がオッケーしたらどうするつもりだったの?」
七瀬さんはきょとんとした顔をして「考えてなかった」といってまた笑った
「私さ、一緒にいて結構楽しいよ。桜川くんを好きだった時は見るだけだった。でも今はこうして話ができる。それだけで嬉しい。」
だから私の事は気にしないでと本当に嬉しそうに笑ってた
「悪いと思ってるんだったら、友達になってくれるのが1番うれしいよ。」
「…ごめん。…ありがと。」
ちょっと照れくさかったので七瀬さんの方を見ずに言った
「いいってことよー!」
七瀬さんは変な言葉遣いをしながら楽しそうに笑った
「あ、あと!苗字じゃなくて名前で呼んで欲しいな。苗字だと他人行儀だし」
「分かった。じゃあ双葉も名前で呼んでよ。」
「わかったー!んーでもありすって言いにくいなー。
…よしっ!あーくんって呼ぶね!」
「あーくんなんて初めて呼ばれた。…なんか双葉といたら笑ってばっかだ。」
「ふふっ。それはよかったです。」
双葉は心底嬉しそうに笑っていた
「じゃあそろそろ教室戻ろうか」
俺がそういって立ち上がると双葉が申し訳なさそうに「ごめんね、引き止めちゃって」とあやまってきた
「何言ってんだよ。こっちこそ気使わせてごめんな。でも嬉しかった。ありがと。」
双葉はどういたしましてと笑った
それから双葉はちょっとだけ真面目な顔をして
「あーくん、何でも話せとは言わない。でもこれだけは覚えておいて。私は絶対あーくんの味方だから。」
「…ありがと」
これ以上口を開いたら涙が溢れてしまいそうで、それだけしか言えなかった
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