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セーフワードが使えないsub
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今村 陽(いまむら はる)Dom
野口 佑来(のぐち ゆき)sub
あれから何時間経っただろうか。もしかしたら1時間も経ってないのかもしれない。
1人でじっとしているにはおかしな格好で。
隣に居る陽はちっとも僕に目を向けてくれない。
陽が雑誌をめくる音だけが部屋に響く。
Domにもsubにも色々な人が居て、自分に合ったパートナーを見つける事が大切になってくる。
お互いの趣味が合わなかったらお互いの欲を満たす事が難しくなってくる。
僕はかまわれるのが凄く好きだから今の状況はとても辛い。
始める前に陽とセーフワードの確認をしたけど陽の躾でなるべくセーフワードは使いたくなかった。
ちゃんと我慢出来る、陽の欲を満たしてあげられる様なsubになりたかった。
時が経つのは本当に遅い。
「...は、る」
声にならない声が漏れた。
「shush。佑来、stay中は喋らない約束だろ?」
「...っだけ、ど」
「佑来、聞こえなかったの?嫌だったらちゃんとセーフワード使って?」
陽の目が少し困った様に動いた。
なんで陽はあんな困った様な顔をするのだろう?
あぁ、僕が困らせてるのか。
今日もちゃんと躾を受けられなかった。
また、陽を困らせてしまった。
満足させてあげる事が出来なかった。
陽はこんなsubは嫌だろうか?
ちゃんと躾を受ける事の出来ないsubなんてパートナー失格だろうな。
今まで我慢していたものがもやもやとして脳内を渦巻く。
目から自然に涙が出てくる。
「佑来...、stayは終わり。come。おいで」
陽が次の命令をだす。
正確には僕の流した涙がそうさせたのかもしれない。
また、ちゃんと我慢出来なかった。
「佑来。おいで」
なかなかその場を動こうとしない僕に陽は今度は命令を使わずに呼ぶ。
「...や、だ」
「何で?佑来俺の膝の上好きだろ?」
陽は自分の膝をぽんぽんと叩きながら言う。
「ちゃんと、うけられなかった」
もう僕の顔は涙でぐちゃぐちゃだった。
声も震えてて聞き取り辛いものになっていた。
「うーん」
陽は少し考える様な素振りをした後に僕の前に立った。
「佑来はちゃんと躾うけれてたよ。大丈夫だから、そんなに泣かない」
stayの命令がとかれた後もずっと動く事なく涙でぐちゃぐちゃだった僕の顔を陽が服の袖で拭ってくれる。
「それとも佑来は俺の命令が聞けない悪い子なの?」
陽が僕の顔を覗き込みながら言う。
「っ、ち、がう!」
今まで俯き気味だった顔を勢い良く上げて強く否定した。
「じゃあ俺の言う事ちゃんと聞けるよね?」
陽はベッドに座りながら言った。
僕はコクリと首を動かして陽を見た。
「佑来、come」
陽が両手を広げて僕を呼ぶ。
「goodboy。良い子」
陽の膝の上にちょこんと座った僕の頭を陽が撫ででくれる。
陽に触られるのは凄く気持ち良い。
「何、佑来が脱がしてくれるの?」
僕が陽の服のボタンに手を伸ばすと陽が楽しそうに言った。
「僕だけ脱いでるの恥ずかしいから、陽も脱ぐの!」
何がおかしいのか陽の笑い声を聞きながら僕はボタンを外す事だけに集中した。
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