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恋スルキモチ 梶原SIDE 3
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その日を境に何かと絡むようになるが、川本の当初のイメージはあっという間に崩れ、俺の想像していた数倍は図々しくガサツで気分屋、短気で喧嘩っ早い、高校生男子の最たるところにいるようなボス猿だった。
どこの王様やねんと思うような有無を言わさぬ横柄な態度。
それを嫌だと思えないのは、退屈な日常を一変させてくれるような、経験した事のないものを川本といるだけで体験させてくれるであろう期待があるからだ。
心臓が飛び出るような突拍子もない事をして驚かされるような毎日に、俺を含めた周りは日頃の小さな鬱憤を晴らすかように、自分では成しえなかった出来事を共有する事で、ある種の高揚感と優越感を得ていた。
元来の俺はどちらかというと川本のような人種は嫌いな部類のはずである。誰に限らず、家族以外の誰一人も、多少気を許す事はあっても、心の中へ入れた事などない。
俺の開かない心の扉に、川本はノックなんて面倒な事はしない。いきなり鉄パイプでぶん殴って、壊してでも強引に入ってくる。
鉄パイプなんかでは足りない。その衝撃と言えば鉄球と表現してもいいかもしれない。
最悪な奴だと抵抗する暇もなくずかずかと土足で俺の心の真ん中へ押し入るが、嫌だ嫌だと否定しながらも、不思議と心地よくも感じていた。
だからなんかな、余計に気になってしまうのは。
目が離せない。
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