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スタートラインK その6
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元々お祭り騒ぎが好きな俺は、クラス会も割と楽しみにしていた。
遅刻魔の俺の家へと迎えに来たのは島田。
別クラスに彼女がいるくせに、まるで合コンを楽しみにするようなテンションの高さが気色悪い。
「早ない?約束7時半やんな?まだ7時やけど・・・。」
風呂上がりの俺はTシャツとジャージのまま玄関の島田に問いかける。
髪の先から雫が溢れてTシャツに染みを作った。
「お前いっつも遅いからな!あと、村上とスージーも来るで!」
補欠の村上と、筋川という苗字のせいで単純にスージーと名付けられてしまった、同じクラスのサッカー部。
「勝手に待ち合わせ場所にすんなや。なんでみんなで行かなあかんねん。スージーなんかクラス会の場所より俺んちの方が遠いやんけ。」
「ええからええから!!今日は楽しみやな!」
何が悲しくてさっきまで一緒に汗を流した奴らと、家も遠いのにわざわざ集合して足並みを揃えて向かわなければならないのか。
まるで女子のトイレ事情みたいや、なんて思いを巡らせた。
「なんでそんなテンション高いん?死ぬん?」
「なんで死ななあかんねん!そんな事あらへんわ!川本は見るからにもちろんテンション高いよな?」
「お前は目が腐っとる。」
「クラスっちゅーたら、川本の好きな子ぉも来るんやからそりゃテンション高いか!そうかそうか!」
またその話かとうんざりした。
構っていたらいい加減に殺意が沸くかもしれない。
仕方なく、村上とスージーが来るまで島田を玄関に放置する事に決めて部屋へ戻る。
あのノリといい、島田は回転の悪いポンコツの頭でまた余計な事を考えているのではないかと心配したが、おかんとのバカ丸出しな会話が扉の向こうで聞こえ、そんな考えもすぐに掻き消されていった。
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