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スタートラインK その16
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「・・・とにかく、怒ってへん。」
「目が怒ってるやん。」
「怒ってへんて・・・まだやんのか?」
「・・・。」
怒りを通り越した俺が呆れ始めてようやく、このやりとりの終わりが見えた。
「・・・・・・・・・いや、多少は怒ってんのかもせぇへんけど、」
「なんやそれ。どっちやねん。」
バカにしたように笑う梶原は、いつもの梶原には見えなくて。痛々しい。
俺をバカにしているのにまるで自分が傷付いているように見えて、思わず頬を叩いた。
ビンタのお手本のようないい音を立てた頬を押さえもせず唖然とした梶原は、次の瞬間その大きな丸い瞳から一滴雫を垂らして、不謹慎にも綺麗やな、と見入ってしまった。
「あ、あれ・・・?」
慌てて拭おうとしているが雫はどんどん零れ落ちる。
「・・・何泣いてん。」
「泣いてへんわっ。」
「泣いてるやん。」
「泣いてへんッ。」
目元を強く擦るせいで赤くなってしまった梶原に、小さくため息を吐いて少し反省した。
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