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スタートラインK その17
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「お前飲みすぎや。意味分からん事言うて怒ったり笑ったり泣いたり・・・」
黙って顔を覆う梶原を撫でてやりたいと、自分が泣かせた事を棚に上げては無神経な考えがよぎり、自虐的な笑いが込み上げた。
「・・・もう帰れや!」
そんな悲しい事言うなや。
大の男が、俺の事を考えて苦しくてどうしようもなくて、津田の事を気にしては諦めようと泣くくらい好きなのかと思うと愛しくて、思わず微笑むと、梶原が俺を睨んだ。
「・・・何わろとんねん。もう帰れって。ホンマに、帰って・・・。」
「恋のお悩み炸裂やな。」
俺もお前も。
「そうやけど、もうええねん。終わってんねん俺のは!」
漕ぎ出そうとしたブランコを再び遮って目を合わす。
「・・・勝手に終わらすなや。」
なんでやねん。
なんでそうなんねん。
なんでそういう考え方しか出来へんねん!
一人で勝手に決めて、一人で勝手に傷ついて、一人で勝手に諦めて。
俺を置いていこうとすなよ!
「・・・は?」
「勝手に終わらすなて。」
きょとんとしたアホ面をして、黒目が不安を映し出す。
「川本・・・?」
襟足に手を伸ばした指先で触りたかった髪を弄ぶ。上を向かせて頬を撫でるとまだ乾いていない涙の跡を拭った。
「川も、「うっさい。」
軽く触れるだけのキスは意外にも子供のように胸を高鳴らす。
固まってしまった梶原の様子を窺い、逃れる事を許さずにもう一度唇を重ねた。
開いている隙間から舌を侵入させ、口内を丹念に舐め上げて、怯えたように逃げる舌に優しく絡ませた。唇丸ごと貪るように。
梶原とのキスは脳内が痺れる。
「・、・・んんッ・・」
苦しそうに漏れる吐息が厭らしくて離したくない気はしたが仕方なく唇を離すと、梶原が俺の体を力なく押し退けた。
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