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最後に一番痛い右足のズボンを捲って見せる
「うっわ〜いったそ〜」
そう言って傷口を親指でぐりぐりと押してくる
「ねぇ痛い?どう?」
何が面白いのか笑顔で聞いてくる南那さん
「すごく…痛い」
「痛いよねぇ?痛いのになんで表情変わんないの?ねぇなんで?気持ちわる〜いっ」
南那さんは俺の血が手に付着することも気にならないようすでまだ触り続ける
カサブタになったそれはぺりぺりとめくれて血が溢れてくる
「あたし達にとってね?あなたは邪魔んだよね〜」
「―――…っ…」
「それなのになんで少しでも役に立つ存在になろうとしないかなぁ?」
「ごめんなさい…昨日は…っ」
「ほんっとダメ!早く消えてよね?」
薄ら笑いを浮かべた南那さんは痛くなるようにわざと乱暴に右足を治療した
「お風呂入ってないけど大学は言ってね?家にいられると邪魔なの。いいよね?別に、瑠璃君のことなんて誰も見てないもんね♡」
なんでこうすらすらと悪口が出るんだろう
「はい新しい服。今着てた服は血がついちゃったし捨てるね?じゃあね〜もう話したくないの」
バタンと小屋の扉が閉まる
正直大学には行きたくない
身体を動かすのも辛い
でも家にいて疎まれるのも嫌だった
先生の顔が見たい
先生に逢えたらこんな不利な状況でも耐えられる気がする
「いっ…たい…」
身体をゆっくり動かすと案の定ギリギリと痛む
昨日はあれだけ憎んだのにこんなときばかりは大学が家に近いことを幸いに思った
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