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先生の口元が動いているが耳鳴りが酷くて何を言っているのかは聞こえない
乱れ続ける息に先生は困ったような顔をした
一瞬うーんと考えた先生は俺を抱き直した
「 瑠璃 」
耳もとで名前を呼ばれて先生の顔に釘漬けになる
耳鳴りは相変わらず酷いのに先生が名前を呼ぶ声だけははっきりと聞こえた
「目ぇ瞑れ」
そう言われたが意図がわからずに涙が伝う目で先生の顔を見つめる
目をなかなか瞑らない俺に痺れを切らしたらしい先生は手で俺の目元を覆う
「あっ、やだ、はっぁ」
視界を奪われたことがまた恐怖を誘い依然として息が乱れたままだった
「離し、―んっ…」
離してと言いきれないうちに唇が何かで塞がれる
瞼を手で覆われている俺にはそれが何かは目視することは出来ない
けどこの感触はつい最近知ったはずだ
少しかさついているが確かな弾力
ちゅっと唇を吸われて離れていく
キスされたんだ
そう頭のなかで結論付くと息は自然と整っていった
目を覆っていた手が離れて瞼を開けると先生は照れたように目を逸らし頬を赤くしていた
先生のキスには俺を落ち着かせる効果があるんだ…キスだけでこんなに心が落ち着くなんて…
もう1回キスしてほしい…
先生の唇をもう1度味わいたい
「せんせ…今のもう1回…」
そう言って目を瞑ると先生は困ったように息をこぼした
先生は少し迷ったあと俺の唇に触れるだけのキスをする
唇が離れる瞬間ぺろりと舌で舐められた
ドキドキと鼓動が加速し続ける胸に嬉しさを感じる
先生を好きだと思えて良かった
先生は俺の頭を撫でて涙で濡れた頬を袖口でうりうりと拭ってくれた。そして照れくさそうに離れていく
「悪かったな驚かせて。オムライス出来たから起こしたんだよ」
さっきは気付かなかったけど確かにこの部屋はオムライスのいい香りがする
ダイニングに目をやるとちゃぶ台の上に二人前のオムライスが置いてあった
「美味しそうですね」
そういうと先生は当たり前だって顔をして「俺が作ったからな」と笑った
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