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家に帰るとすぐにいつもなら夕飯の準備を始めるのだが、今日は先にシャワーを浴びる。
………別に、山田を意識しての事ではない。
断じてそんな事はない。
そんな事はない………とは言えない程にそわそわと落ち着かない自分に気付かないフリをして、俺は髪を乾かしいつも家の中で着ている部屋着ではなく、よそ行きの服に袖を通す。
ベッドメイキングは完璧、床も掃除機をかけ………念の為にコロコロもしておく。
それからもしも山田が夕飯を食べたいと言ってきても大丈夫なように、いつもよりも多めにおかずを作る事にした。
………落ち着かない。
コトコトと煮込んでいるこの煮物は、もう充分に味が染みている。
だが、俺は火を止める事をいつまでも出来ずにいる。
いつもより張り切って2合も多くセットしたお米も、炊飯器のメニュー表示はもう炊飯からとっくに保温へと変わっている。
後はこの出来上がった料理達をただ器によそうだけで良い。
それだけで夕飯を食べる事が出来る………。
「………はぁ」
………落ち着かない。
いつもなら気にならない、規則的な………時を刻む秒針の音が厭に耳につく。
時計の針は、もう既に22時を回っていた。
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