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ずっと、嫌な気持ちだった。
イライラする。
そんな精神状態では思う様に仕事が捗るわけもなく………けれども時間は過ぎていく。
昼食も、持ってきたお弁当を広げてはみたもののどうにも上手く喉を通らない。
勿体ないなとは思いながら、俺は中身のほとんどをゴミ箱に捨ててしまった。
そしてどん底まで落ちていた心が、時間が経つにつれ少しずつ“怒り”という感情でもって徐々に浮上していくのを感じる。
ムカムカする………それは、朝に感じていた吐き気にも似たドス黒いもやもやとした自分でもわけのわからない嫌なモノではなくて、確かな怒りの感情だった。
待ちぼうけを食らわされた………それも、後輩に。
本来、敬われなければならない立場の自分がコケにされ馬鹿にされたような気がした。
いや、あの野郎は確実に俺を馬鹿にしている。
おちょくっている。
俺が山田を家に迎える準備をし、待っていた間にあの淫乱な変態はどこぞの相手とよろしくやっていたのだ。
俺はとんだピエロじゃないか………ふざけるな。
考えれば考える程に、怒りが増していく。
視界の端に映る山田は、今日も涼しい顔でカタカタとパソコンのキーを叩いている。
“性欲なんてありません”ってな真面目そうな顔で、爽やかな顔で、その癖本性はその辺の女よりタチの悪いドエムの淫乱ときてるのだ。
「はっ………」
ちゃんちゃら可笑しい。
抑えても抑えても、込み上げてくるこの怒り………この激情………その全てを俺は今夜、山田にぶつけてやろうと思った。
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