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エレベーターを降りると、もう本当に気分は最悪で、
「あー、悪い………俺、やっぱ帰るわ」
部屋の前に来て、引き返そうとする。
「泊まるんでしょ?」
それを許さないとばかりに、服の裾を掴まれ挑戦的な煽るような流し目で見詰められて
「………ハイ」
逃げる事が出来なくなった。
「ちょっと散らかってますけど」
そうは言いながらも別に散らかってなんかいないんだろう、相変わらず綺麗で広い山田の部屋。
「セックスします?お風呂にします?寝るにしても、流石にシャワーも浴びずにベッドに入られるのは嫌ですね」
靴を脱いで部屋に上がりはしたものの、廊下を進もうとしない俺に山田はそう言って顔を覗き込む。
サラリと、前髪が垂れ落ち目にかかる。
扇情的な右目の下のホクロ、涼やかな目元が露になりゴクリと喉が鳴った。
「………シャワー、借りる」
渇いた声でなんとか、それだけ告げた。
ドクドクと暴れる心臓をなんとか落ち着け、浴室へ向かう。
目を瞑って、顔を上げ頭からシャワーのお湯を浴びていたら気持ちがやっと落ち着いてきた。
嫉妬して激昂して、今度は八つ当たり、そして自己嫌悪………更にはときめきと肉欲まで湧いてきて、山田と一緒に居たら一時も気の休まる暇がない。
水滴が髪を濡らし頬をなぞる。
下を向いて、目を開けた。
息をついて、髪を洗おうかとしたその時………
「お背中、流しましょうか?セ・ン・パ・イ」
ガラリと浴室の扉を開けて、山田は背中にぴったりと頬を合わせてきた。
「そういうの、マジでさ………良いから」
身を捩り、山田を背中から引き剥がす。
だいたい、この間コイツは体を繋げるのは最後だと俺に言ったくせに………本当、どうしたいんだよ。
唇を、思わず噛み締める。
ザーザーと、シャワーが床に当たる音が耳に障り不快だった。
「………さっき一緒に居たのは、高校の先輩です」
山田の声が、シャワーの音に紛れて良く聞こえない。
「センパイ、今日は………乱暴にされたい気分」
再び、背中にぴったりと寄り添う山田をもう俺は振り払えなかった。
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