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年下の………それも男に馬乗りになって「セックスしようよ」って迫られて、どうこの危機を乗り越えようかとパニックになっていた時だった。
カツン、カツン………と、響く足音に俺は安堵する。
恐らくビルの守衛が見回りに来たのだろう………これで助かる。
そう、助かると思った。
「………今見つかったら、僕はセンパイに襲われたって証言するから」
そう言っておもむろに服を脱ぎ出す山田に、俺は血の気が引いた。
「やっ、バッ!!………っやめろ」
慌ててそれを止めようとすると、今度は俺が山田の上にのる格好になり、益々俺が襲っているかのようなビジュアルになってしまう。
「ふふ………本当に僕が襲われてるみたい」
俺の心を見透かすような台詞に、カッ頭に血が登り、
「………黙れ。大人しくしてろ」
と低い声で言うと、山田の首を軽く締める。
「あはっ………ヤバ、勃ちそ………」
恍惚とした表情を浮かべ、この期に及んでまだふざけたことを抜かす山田の口を掌で塞ぐ。
そうしてドキドキしながら静かにしていると、ガチャッと音を立てて扉が開き、案の定、守衛が部屋に見回りに来てしまった。
俺と山田は今床にいる。
ここままでは、守衛は電気は付いているのに、誰もいないのを不振に思うに違いない。
「お疲れ様でーす」
俺は、なるべく明るい声でそう呼び掛ける。
そして、多少の不安はあるが山田から手を離し身を起こすと直ぐさま
「携帯を机の隙間に落としてしまって、なんとか取れましたよ」
なんて、背中に冷たい汗をかきながら苦しい言い訳を口にする。
「ああ、遅くまでお疲れ様です。戸締まり消灯に気を付けて下さいね」
幸い守衛はこちらに興味などないらしく、お決まりの文句を言うとすぐ部屋を出て行った。
過ぎたピンチにほっとしたのも束の間、
「残念………夜のオフィスで守衛も交えての3Pとか、最高のシチュエーションだったのに」
背後から聞こえる恐ろしい台詞に、俺はまだ本当の危機を乗り越えたわけではないことを思い知らされた。
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