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16 俺の家で2回目の………
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「………狭い」
勝手に家に上がり込んできた部下が、仮にも上司に向かって開口一番それはないんじゃないかと思っていたら、
「………汚い、オッサンくさい、あっ!エロビないの?」
そう言って今度は家探しまで始めやがって、もう俺は頭を抱え呆れるしかない。
「お前と違ってエロビなんざ家に置いてねぇわ」
怒りを含んだ低い声でそう答える俺に、山田はこちらを一切見ることも、家探しの手を止めることもなく飄々と返す。
「あぁ、僕は基本性欲処理はオナニーに頼らず適当な相手を見繕ってセックスで済ませるんで、エロビのお世話にはなりません」
そんな山田に、俺は小さな声で
「………変態」
と、言ってやる。
どうせ聞こえても気にしやしないだろうと思っていたのに、意外にもこの言葉に山田は大きな反応を示した。
作業の手を止め、こちらを向き立ち上がるとつかつかと無表情のまま近付いてくる。
いきなり山田がそんな予想外の行動に出るものだから、ちょっとビビってしまって後退り体を後ろに出来るだけ反らせながら咄嗟にファイティングポーズをとった。
ところが………
「てか、センパイってやっぱりエロいですよね?」
このまさかの山田の発言に、俺は構えた拳を振り上げることも下げることも出来ず、ただポカーンと口を開けて何も言えないまま、ただ山田の顔を見詰める。
「だってエロビはないし、エロ本もないって事は………抜く時って、想像で抜くって事だよね?妄想?それって、ヤバい………めっちゃエロい………」
更には続けて、興奮しているのか目をとろんとさせながら鼻息も荒くそんなアホな事を言ってくる山田に、流石に馬鹿らしくなった俺は大人しく拳を下ろすと、
「………は?」
と声を掛ける。
けれど俺がどれだけ呆れた顔をして、冷めた視線を送っても、当の山田は全くそんな事は気にする素振りも見せず、
「だいたい、センパイってば左利きでしょ?その時点でなんかエロス………感じますよね?」
と、マイペースに話を続ける。
「俺がセンパイに目をつけたのも、左利きってのがなんかエロくてなんとなく興味を持ったからですし?」
その山田の一言に、
「はあ?」
と俺はすっとんきょうな声をあげると、なんだか全てが馬鹿らしくなって、へなへなとその場に崩れ落ちた。
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