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長い夜。1
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冬生side
黒に、体を触られる。
凄く優しく触れてくる。
まるで僕を気遣うに…
気持ち悪い…。早く終わって…
吐き気が込み上げてくる。
あの人に触れる感覚と重なる。
このままじゃ吐いちゃう…
吐けば何されるか分からない。
痛いことは嫌い。辛いことも嫌い。
でも、我慢しなきゃいけない。
お願い、早くっ……早くしてっ…。
どれだけ願ってもその行動が早くなることは無い。
ただ、ゆっくりと触れられる。
声は出ない。相手に伝える手段が無い。
うぅ……。気持ち悪い…。
それでも、相手は気づかない。
抵抗することも、怖くて出来ない。
んっ…。もう、やめて……。
黒の目が僕を見る。
その目に映る僕は、欲情した顔をしている。
「ちょっと待ってろ」
そう言って部屋を出て行く。
その間にも、気持ち悪さは治らない。
悪くなる一方だ。
「ここに吐け」
僕は、あまりの気持ち悪さに
何が起きたか分からないままに吐いた。
昨日から何も食べてない。
吐き出されのは、胃液だけだった。
「白、何も食べ無いの?」
『食べてない…です……』
僕がそうパクパクと口を動かすと、
"なら、はじめにご飯にするべきだった"
そう言って、僕を抱き上げて部屋を出た。
『ここは?』
「リビングだよ?ご飯作るから、テレビでも見ててね〜」
僕の目の前にある、黒い箱を指差した。
どうしたらいいか分からなくて、その箱を見ていた。
しばらくして、黒が戻ってきてご飯をくれた。
柔らかくて、美味しいと思った。
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